携帯の「分離プラン」を分かりやすく解説

総務省の指導により、携帯電話(スマホ)の買い方が大きく変わろうとしています。いろいろ詳細を説明してあるサイトは多くありますが、自分なりの言葉で専門的な言葉をなるべく使わずに説明してみたいと思います。


元祖 携帯電話



〇携帯電話はレンタルだった

携帯電話と言えば平野ノラさんのバブリーネタで有名になったショルダーホン(正式には車外兼用型自動車電話と言います)のインパクトが強いですが、1985年に登場したショルダーホンを外で使う時は、実際に肩からぶら下げて使っていたそうです。私も実物は見た事がありませんが、重さは約2.5kgあり保証金・工事負担金等で約20万円を支払い、回線使用料(月額基本料金)は26000円前後、約8時間の充電で通話できるのは約40分だったそうです。

今では携帯端末は買うものですが、この当時はレンタル契約しかありませんでした。


ショルダーホン



改良が加えられ1987年に日本で初めての携帯電話サービスが開始されます。重さは約900gとなり保証金・工事負担金等が約20万円は変わらず回線使用料(月額基本料金)は23000円前後、約6時間の充電で約60分の通話が可能だったそうです。契約時の保証金等と基本料だけで実に年間維持費は約45万円!バブルの象徴と言っても過言ではありませんよね。それにしてもゴッツイですね(笑)!


TZ-802型



さらに小型・軽量化が進み、ドコモのmova(ムーバ)というサービスが1991年(平成3年)にスタートしたのを境に、ここから携帯電話の加入者数が一気に上昇し始めます。それでもサービス開始当初は保証金・加入料等で約15万円、端末もレンタルで回線使用料(月額基本料金)は17000円でした。そして1993年には保証金が廃止され通信システムがアナログ方式からデジタル方式になり、1994年(平成6年)にはついに端末の「レンタル制」も廃止され「お買い上げ制」となり、現在の端末販売や料金制度に近い物へと変わりました。


mova P


mova N



私が初めて携帯電話を持ったのは大学生の時でした。お買い上げ制が始まった1994年(平成6年)の時で、契約料が約10万円で回線使用料(月額基本料金)が12000円くらいだったと記憶しています。それまではポケベルとピッチの愛称で親しまれたPHSを持っていましたが、デジタル・mova PⅡ HYPERという端末に買い替えました。黒が主流だった時代に現れたシャンパンゴールドというカラーの衝撃は凄かったです。グレーやシルバーに近いゴールドって素敵だと思いませんか?


デジタル mova PⅡ HYPER



今ではドコモの歴史展示スクエアという所に展示されているような歴史的な展示物です(笑)!



〇なぜ料金プランが複雑化しているのか

思い出してみてください。スマホが世に出始めた頃のガラケーの料金は、無料通話分をいくら含むかによって基本料金が大きく変わりデータ通信は従量課金かパケ・ホーダイのような固定料金でした。それが気付いてみれば逆になっていますよね?スマホは基本料金である通話プランが低く設定されていてデータ通信のプランによって料金が大きく変わってきます。

時代の変化や登場する端末によって、通話メインのガラケーからデータ通信メインのスマホへと移りつつあります。

携帯キャリア(携帯電話会社)も商売ですから儲けを出さなければいけません。その都度ごとに新しい料金プランを発表しては消え、また新しいプランが登場する頻度が多くなりました。そして通話メインのガラケーとデータ通信メインのスマホが混在し、料金プランも複数存在する非常にややこしくて分かりにくい料金体系になっています。


それに追い打ちをかけているのがスマホ端末価格の高額さです。


ガラケーは2~3万円くらいあれば買えました。電池パックを交換すれば長く使い続ける事も出来ます。しかしスマホは10万円前後と高額で、次々と新しい技術やアプリが出て来るので買い替えのタイミングが早まりました。それでもMVNOと言われる格安携帯サービスや海外製の2~3万円程度で買える端末が出てくるなどして毎月の料金や端末の購入費用を抑える事も可能になっています。

しかし各社によって料金プランの種類や体系はバラバラで、格安携帯サービスが登場した事によりさらに複雑化している事から消費者である我々はどう比較検討すれば良いのか分からないと感じる方々が多くなっています。



〇料金プランと端末費用を分離するのはなぜか

スマホの登場で端末費用が高額となり分割購入を携帯電話会社は薦め始めました。そうすると基本料金プランに端末の分割購入費用を足す事になり、毎月の携帯電話料金が高いと感じる方々も出てきてしまいます。


そこで生み出されたのが「縛り」という料金体系です。


一定期間の契約を続けてくれたら月額基本料金を下げますよ!端末購入費用も割り引きますよ!という販売方法です。さらに他社から切り替えてくれたら端末購入費用を全額割り引きますよ!前提条件として一定期間の契約が必要で、その期間に端末購入費用分を分割購入した事にして毎月同額を差し引きますよ!という実質0円というものまで出てきました。


・ガラケーとスマホの料金プランの混在

・料金プランの廃止と登場頻度の増加

・端末費用込みと無しの料金プランの混在

・期間縛りがあるプランと無いプランの混在

・格安携帯サービス会社の増加


単純に比較するだけでもこれくらいの項目を理解していなければ、本当に得なのか損をしているのか、自分に合う料金プランなのか、自分が求めているサービスを受けられているか、などの比較検討ができません。なので店員さんが薦めてくれた料金プランを何となく契約して何となく使っているという方は多いと思います。

それでもガラケーとスマホの料金プラン混在は仕方の無い事だし、期間で縛りのある料金プランと無い料金プランも両方を明確に提示してくれれば分かる。料金プランの廃止と登場頻度は整理してシンプルにしてくれれば済む事で、格安携帯サービス会社もスッキリまとめた料金プランを提示してくれれば比較できる。ただ端末費用込みと無しの料金プランがあると条件や割引率などで数倍に増えてしまう。
そのため総務省は消費者が理解し易く比較検討し易いようにするよう携帯電話会社に求め、法改正をして「端末購入を条件に通信料金割引」「一定期間の継続契約を条件とした端末代金の割引」を禁止とし義務化しました。これを完全分離プランまたは分離プランと言い、料金プランと端末購入費用を分離しなければいけなくなりました。



〇この話をすれば不思議な事に気付く

この話をすると大抵の方は変だよね?という事に気付きます。


携帯電話の端末を車、料金プランをガソリンと例えて考えてみましょう。

車はどこで買いますか?自動車販売店で買いますよね。ガソリンはどこで買いますか?ガソリンスタンドで買いますよね。車をガソリンスタンドで買う人はいないし、ガソリンを自動車販売店で買う人もいませんよね?

でも携帯電話の場合は・・・ガソリンスタンドで料金プランと言うガソリンを毎月給油しなければ携帯という車は動かなくなります。変ですよね(笑)?


みなさんは「携帯という車」をガソリンスタンド買っています。そして「料金プラン」と言うガソリンを毎月ガソリンスタンドで給油しています。本来ならば「携帯という車」は自動車販売店で買わなければいけないのに、なぜかガソリンスタンドで買っています。それが変な事だと気付かずに、それが当たり前と思い込んでしまっていませんか?

そう、本来であれば携帯は小売店で購入し携帯電話会社で料金プランを選ぶと言うのが自然な流れのはずです。一部の携帯は小売店でも買えますが、圧倒的に携帯電話会社で携帯を購入して料金プランを選んで使っている方が多いのでは無いでしょうか。携帯の「分離プラン」は本来あるべき姿に戻すための第一歩なのかも知れませんね。



〇難しい大人の事情もある

携帯電話会社では異なるサービスを提供している事も少なくありません。ガラケーは携帯電話会社ごとにカスタマイズしなければいけませんが、スマホの登場で日本ではiOSとAndroidという2種類の基本ソフト上で動いている端末にほぼ絞られます。そこで動くアプリというソフトウェアは各社ごとにカスタマイズが必要ですが、携帯電話会社で独自に提供しているサービスは携帯電話会社のウェブサイトから、それ以外のアプリはApp StoreかGoogle Playで入手する事が可能です。

じゃあ携帯電話会社で端末を売らなくても良いじゃないか!

そう思ってしまいますが、各社に割り当てられている電波の周波数帯は異なるし、一定の通話やデータ通信の品質を保つために表では見えていないアプリがたくさん裏で動いています。それらの仕様も各社で違うので、例えばドコモで買ったスマホをソフトバンクで使うとなると、通話や通信はもちろん付加機能など全てのサービスについて動作保証できないと公式サイトに書いてあります。

単なる仕様の違いで片付けられる事でも無く、技術開発のために端末メーカーと携帯電話会社が協力している事もあるだろうし、複雑な事情で完全に共通化する事は不可能です。もし完全に共通化が可能になったら携帯電話会社が複数存在する意味も無くなり1社あれば良い事になります。



冒頭で専門的な言葉をなるべく使わずに説明・・・と書きましたが、何となくでも分かって頂けたでしょうか。なるべく専門的な言葉は避けたつもりですが、もし分かりにくいという部分があったらお詫びします。

分離プランの導入で料金プラン分かりやすく比較しやすくなる事に期待しつつ、端末購入費用が上がるんじゃないかと心配しています。完全分離しなければいけないので端末購入プランが出て来ると思われますが、こちらもシンプルかつ分かりやすいプランを提示して頂けたら嬉しいですね。



個人的には契約年数に応じて端末を安くしてくれるといいな(笑)!



スポンサードリンク