東京オリンピック開幕

第32回となる夏季オリンピック大会が2021年7月23日に開幕しました。同じ都市で2回目の夏季オリンピックが開催されるのは東京が史上初となり歴史に名前を刻んだ一方で、新型コロナウィルスの蔓延による開催延期と規模縮小を余儀なくされました。


Tokyo Olympics / Tokyo 2020


Tokyo Olympics / Tokyo 2020



過去のオリンピックは夏季・冬季を含め中止となったのは夏季オリンピックの3回のみでした。

1回目は1916年、ドイツのベルリン大会が第一次世界大戦のために中止となりました。

2回目は1940年、日本の東京大会が1937年の日中戦争勃発によりヨーロッパを中心に反日感情が高まり、当時のアンリ・ド・バイエ=ラトゥールIOC会長の「政治とスポーツは別」発言などで一旦は事態が収束したものの相次ぐ東京批判により、同会長による大会返上勧告を受け当時の日本政府は大会返上を打電、36票対27票で次点となったフィンランドのヘルシンキでの開催へと変更されましたが、1939年に勃発した第二次世界大戦により1940年4月20日にヘルシンキは開催放棄を表明し中止となりました。

3回目は1944年、イギリスのロンドン大会が1945年まで続いた人類史上最大の戦争となった第二次世界大戦により中止となりました。

そして時を経て2020年に開催される予定だった東京大会は、新型コロナウィルスという未知なるウィルスとの戦いのため史上初の開催延期となりました。



今回の第32回夏季オリンピック東京大会は2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興と、2019年11月に中国の湖北省武漢市で発生が確認され世界的な大流行を引き起こしパンデミックとなった新型コロナウィルス(SARS-CoV-2(SARS-Cov2)/COVID-19)に人類が打ち勝った証しとして開催する予定でしたが、不完全な状態での開催を余儀なくされました。

私は福島県の出身ですが、現状を見る限り東日本大震災からの復興はまだ道半ばといった印象しか持ちません。それに新型コロナウィルスは国内では主に2種類の変異ウィルスについてしかメディアで取り上げられていませんが、先日ワクチン接種で終わりでは無いに書いた通り世界中で20種類以上の変異株が確認されています。新型コロナウィルスとの戦いは数年で終わる事は無いかも知れません。

今回のオリンピックは当初7340億円ほどの予算で済む計画でしたが、実際は2倍以上の1兆6440億円ほどかかっているそうです。新型コロナウィルス感染防止対策や1年延期した事により経費増は仕方ないとしても、国や財務省そして日本オリンピック委員会(JOC)の皮算用には改めて呆れるばかりです。まして今回は無観客とした会場が大多数となった事によりチケット購入者へ返金しなければならないため、より多くのコストがこれからかかってきます。

近い将来これらのコストは消費税や2037年まで続く復興特別所得税のような新たな課税によって国民から徴収する可能性が極めて高いと言えるでしょう。気になる方は財務省や政治家の動きに目を光らせておいてください。



先日オリンピックの開会式をテレビで視聴しておりました。震災からの復興と世界中の現状を加味すると言う観点からはある程度の納得はしましたが、ぶっちゃっけショボイという心から湧き上がる感情を抑えきれませんでした。私ならこんなご時世だからこそ東日本大震災で被災された方々や亡くなられた方々への哀悼の意、そして未来の日本への希望を表現すべきだったのではないかと思ってしまいます。

何事も慎ましくあるのは結構、詫び寂びの心を表現するのも結構。だけどモンスターハンターやドラゴンクエストやファイナルファンタジーの曲を選手入場の曲に使っても気付いてくれる方々は少ないと思います。一時期クールジャパンという言葉を見聞きする事がありましたが、クールを通り過ぎてコールド(寒すぎる)といった印象を持たれた方も多かったのではないかと思います。震災からの復興と新型コロナウィルスに打ち勝つという意味合いを考えてみても、物足りなさを感じました。賛否両論はあるかと思いますが物申す方々は出て来るんじゃないかなと思います。


Tokyo Olympics / Tokyo 2020


Tokyo Olympics / Tokyo 2020


Tokyo Olympics / Tokyo 2020



開会式と閉会式がオリンピックの全てではありません。世界中が苦難を強いられている状況下でオリンピックを開催できたのは日本の国力があるからこそでもあります。こんな状況下に日本へ足を運んで頂いたアスリートの皆様、そして大会に携わる全ての関係者の方々に改めて敬意を表したいと思います。

アスリートの一人一人にリスペクトを表し、大会の成功を願っております。
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